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2019/08/15

Thieves Guild HQ その4

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 シャディ・サマンサ。盗賊ギルドに所属する女で売人でもある。その通商ルートからなのか、別の理由なのか、非常に幅広いコネクションを持っていることでも有名だった。

「と、いうわけでギルドの人員を増やして層を厚くしたいんだが」
「そうね。何人かの腕のいい泥棒に心当たりがいるわ」

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『一人はチャック・フィンレイ。私が知る盗賊の中では、最高の射手よ。彼はアンヴィルにいるわ』
「と、言われてアンヴィルまでまた戻ってきたんだが」

 どこから探せばよいのか。いうまでもなく、まずは物乞いネットワークである。


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 物乞いから聞いた酒場に行けば、そこでは一人の帝国人(インペリアル)が酒を飲みながら他の客と談笑をしていた。聞いていた特徴に一致する。チャックその人である。

「ちょいといいかい、おっさん」
「おや? 俺みたいなおっさんにあんたみたいな別嬪さんが来るとはね」

 向かいに座って話しかければ、チャックは相好を崩し、愛想よく話を受けてくれた。ただし、その視線はアンの顔ではなくテーブルに乗ったたわわな果実に注いでいる。それを理解してはいたが、この手の輩は慣れている。アンは話を進めることにした。
 勿論、いつでも釣鐘を蹴り壊せるよう準備して。

「悪いがそういう用件じゃねえよ。そっちは別の女探してくれ」
「そうかよ。なら冷やかしかい? それこそ他をあたってほしいな」

 よほど飢えていたのだろうか? 否定した瞬間、チャックは舌打ちをした。

「冷やかしでもねえな。用件はあるのさ。オレは盗賊ギルドのものだ。あんたを勧誘に来たんだよ」
「盗賊ギルドだぁ? 知らねえなぁ。俺は一人でやっていくのが性に合ってるんだよ」

 本題に対してもけんもほろろである。これはどうしたものか、と悩むアンに、チャックはいやらしい顔を近づけた。

「そうだなぁ。嬢ちゃんが一晩付き合ってくれるなら考えてもいいけどな?」

 ──そういいたかったのだろう、本来は。だが、実際に言えたのは「一晩」までであった。腰の後ろから目にも止まらぬ速さでナイフを抜いたアンが、その切っ先を首筋に突き刺したからである。血こそ流れていないが、歴戦の盗賊であるチャックには感覚でわかる。刺さっている。と言うか、あとわずかに押し込んだら、それで頸動脈が切れる。
 事ここに至って、ようやくチャックは目の前の少女の大きな胸ではなく、その目を見た。顔は笑っているが、目は全く笑っていない。これで本気ではない、脅しだと信じれるほど、チャックは愚かではなかったので、おとなしく両手をあげることにした。

「オーケィオーケイ。俺の負けだ、お嬢ちゃん。だがそうだな。せめてここの酒代くらいは払ってくれないか? ちょいとツケがたまってるんだ」

 短剣をしまったアンは、懐から財布を取り出すと、黙ってテーブルの上に放り投げた。その音の重さは、チャックがツケを払うのには十分だ。

「いいだろう。ちょっくら試してみようじゃないか。何、こちらの稼業にもなじみ深い。すぐに飲み代くらい稼げるだろうさ」



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『次の盗賊はブラッククルスト洞窟に吸血鬼とともに住んでいます。ええ、もちろん彼も吸血鬼ですよ。彼は熟練の盗賊ですが、それ以上に屈強な戦士であり、腕のいい鍛冶屋なのです。必要なら手下の吸血鬼どもは倒してしまってもかまわないでしょうが、彼、サングイス・ビビマスとは争うことはないでしょう。獣同然の連中と違い、彼はとても理性的ですから』

 そう聞いて、アンがやってきたのはスキングラッドだった。たまには、と馬車を使ってきたのだが、まさかバートホルム行きの馬車がブラヴィルから出てるとは思わなかった。
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 MOD違うのに連携してるのか。


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「久しぶりの戦闘だな」

 常時展開しているわけではないとはいえ、生命探知が可能な吸血鬼どもに見つからず抜けられると思えるほど、アンは自信過剰ではなかった。よって、完全隠密装備で洞窟に挑む。


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 さて、クロスボウを取り寄せてみたが、難易度補正の関係で威力はそこまで目立たず、欠点である遅さだけが目立つ。これは次回から使わないな、と心に決めるアンであった。後フード見難い。取らないけど。


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「毒は大量に作ってあるんだが、威力がしょぼい気がするんだよなぁ……せめて火属性の毒を用意するべきだったか」

 毒に関しては某大魔術師との差別化で縛りを設けてたのだけど、もう少し緩めてもいい気がする。

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 余談だが、後日緩めて作ったのがこちら。毒限定、vanilla道具オンリー、家で飲み作る、などの縛りが入っております。ちょうど薬しか作れない眩しい女と真逆ですね。
 某勇者は現在単一効果縛りが入ってるので対ではない。無念。


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 近接即死技が使えるので、そこら辺は状況で使い分ける。これぞ暗殺者の真骨頂。ぶっちゃけめっちゃ楽しいです。


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「三人……いや、下手すると見えないところにもう少しいるか……?」

 広間にいる吸血鬼は、さすがに誰にも気づかれず脾臓を刺すなどできそうにない陣形。こういう時は毒矢の出番である。クロスボウ?奴は封印された。暗殺の時のお気に入り、「そのうち消えるから証拠が残らない召喚弓」が輝く番だ。


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 見える3人を狙撃したところで、透明化した吸血鬼が襲ってきた。

「やっぱりまだいたか!」

 殴り合いを得意とするであろう敵と戦士ではない己が殴りあって勝てるはずはない。さっさと一時退散を決め込む。


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「そら!」

 アンがバク転するとともに、爆発が起き、その隙にアンの姿が見えなくなる。一部の国では火遁などと呼ばれる隠密術である。
 尤も、生命探知の力を持つ吸血鬼に透明化など意味はない。それはアンも承知の上だ。それでも使ったのは、爆発に吸血鬼を巻き込むこと。威力こそないも同然の爆発だが、相手を昏倒させることのできる衝撃を放つのだ、この爆発は。


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「ってわけで、毒を塗らせてもらうぜ!」

 身動きが取れない隙に毒を塗ったナイフを突き刺す。非力なアンでは、正面からその心臓を穿つことはできないが、いずれその毒が命を奪うだろう。


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「あとはそれまで逃げ切るだけだな!」

 洞窟は狭く、後ろに逃げる余裕はない。故にあえて前に活路を見出し、毒が回るまで逃げ続けるのであった。



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「ここ、か……?」

 シャディから聞いていなかったら、この隠し通路はさすがに気づけなかっただろう、とアンは思う。


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 その奥にもまだ吸血鬼はいたが、こちらに苦戦するほどの手練れも数もなく、サクサク歩を進められるアンであった。


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 そして、洞窟の最奥にいたのは銀の両手斧を振るうノルドの吸血鬼であった。鍛錬を邪魔されたからか、あまり機嫌はよろしくない。

「何者かは知らないが、即刻立ち去るがいい。狼藉を働くならば吸血鬼らしく振舞うことになるぞ」
「いや、オレは盗賊ギルドのものだ。あんたを勧誘に来たんだよ」

 その言葉に目を丸くするサングイス。

「盗賊ギルドの……? そういえば、あそこを飛び出してからもう50年になるのか。シャディは元気か?」
「ああ。そのシャディの推薦だよ、ここに来たのは」

 サングイスは知人の息災に相好を崩した。

「だろうな。俺の居場所を知っているのは、ここの野蛮な連中を除けば彼女だけだ。しかし、そうか。そうだな。ここの低脳どもと過ごすのもいい加減飽きてきたところだ。あんたらと組むのも悪くはないな。よし、その提案を飲もう」



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『最後の一人はヴェネフィッカと言う名のダークエルフの魔術師です。彼女は幻惑、変性、そして神秘の学科に熟達した魔術師ですが、かつて少しの間ですが、盗賊に身をやつしていたことがあります。今はブラヴィルのメイジギルド支部にいるそうです』

 近場なのだから先に教えてくれ、と思いながらギルドにやってきたアンであったが、実のところ、アンは彼女を知っていた。何と言ってもブラヴィルの出身だったのだ。
 ヴェネフィッカ・ドレス。モロウィンドの大家の一つ、ドレス家の一員である彼女がなぜブラヴィルにいたのか、それは知らない。ただ、少し年上の友人として、幼いころ一緒に遊んだことがあるというだけだ。

「……えっと、どちら様かしら?」

 あの頃から順当に成長したと感じさせる姿のヴェネフィッカは、アンのことを忘れていた。名乗りをあげればここ数年で大きく見た目が変わったので気づかなかった、女の子だったのね、などと言われる始末。
 言われてみれば、幼いころは親の方針で誘拐防止のために男の子のふりをしていたし、ここ最近は口うるさい使い魔のせいで化粧なども覚えたのだから、そりゃあ印象は変わっているだろう。

「それで、今日は何の用かしら? 旧交を温めに来たってわけじゃないんでしょう?」
「ああ、今オレは盗賊ギルドに所属していてな。あんたを勧誘に来たのさ」

 その言葉を聞いて、ヴェネフィッカの表情が強張った。

「お断りします。もう数年前に足を洗ったのよ、私は。今はギルドで研究に身命を注いでいるの」
「そこを曲げることはできないか? 研究の邪魔をしたいわけじゃないんだが、あんたは今のギルドにとって最高の人材だって聞いたんだ」

 半ばお世辞ではあったが、コネの広いシャディが推薦するからには間違いともいえないだろう。お世辞とは気づかなかったのか、ヴェネフィッカは嬉しそうだった。

「ええ、そうでしょうね。昔は盗賊向けの魔法の開発もしたほどです。透明化や開錠、暗視をね。勿論、並の魔法ではなくてよ。……いいでしょう。ほかならぬ旧友の頼みですし、取引としましょう」
「取引?」
「ええ、ジャイアントウェルキンドストーン、というものをご存知かしら? その名の通りとても大きなウェルキンドストーンよ。レアアイテムなの。私はそれを3つ、研究のために欲しているわ」
「どこぞの遺跡から取って来いってことか?」
「勿論、それでもいいわ。ただし、私は現存する遺跡のどこにあるのかは知らないけど」

 多くの遺跡にある通常の石とは違い、まずお目にかかれないからレアアイテムなのだという。

「ただし、幸いにも私は個人的に所有してる人物を3人知っているわ。誰も金銭では取引してくれませんでしたが。こちらがその3人のリストよ。どうするかは貴女の判断に任せましょう。遺跡をあさるもよし、彼らと“交渉”するもよし。最終的に、私の下に3つの石を持ってきてくれれば、私はギルドに参加しましょう」


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 一つ目はブラヴィルの魔法店、ウォーロック・ラック。元冒険者である店主が引退して開いた店だ。昼間に話を振ってみたが、もちろん売ってくれるわけはない。


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「と、なれば、結論はこうだよな……」


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「よしよし、これだな」

 通常のウェルキンドストーンの数倍はあろうかという大きさのそれは、まさにジャイアントの名にふさわしい。だが、その市場価格は数倍ではすまないのが稀少品というものである。

「……これ、売れたらなあ……はぁ」


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 二つ目は帝都、秘術百貨店。どうせ売る気はないだろうし、売ってくれるとしてもギルドからの保証もなく5000セプティムは痛すぎた。なんだ5000って。一般人だと50年かかるぞ貯蓄に。


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「店舗には無し、と。地下か2階か……地下だと助かるんだがな、見つからないし」


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 幸い、地下にあった。


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 そして最後の石はスキングラッド、オールシングス錬金術店。屍姦愛好者(ネクロフィリア)と噂されるダンマーが経営する錬金術店である。怪しさは満点なのだが、この街の魔術師ギルドには錬金術部門がないため多くの人に愛用されている。


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「こっちも店内には無し、か。……この建物、地下室が見当たらないんだよな……ってことは上の階の倉庫か……寝室だったら面倒だなあ」

 うっかり目を覚まして、などという事故があり得るからだ。だが、得てしてそういうときこそいやな予感と言うのは当たるものである。


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「……本当に寝室だったとは……」

 わずかな物音がなくても、うっかり目を覚ましかねないのが人間というものだ。エルフだけど。
 したがって、細心の注意を払い、わずかな物音も立てず、しかし最速で盗み出すのであった。


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「集めてきたぞ。これでいいか?」

 ギルドの机の上にジャイアントウェルキンドストーンを並べると、読書に夢中だったヴェネフィッカもさすがに目を剥いた。

「石を集めたの!? まあ……!」

 悲願がかなったことに、声も出なくなるヴェネフィッカ。ややあって、我に返ったヴェネフィッカはアンに向き直った。

「品物に申し分はないわ。これで研究している転移呪文も完成するはず。喜んで働かせてもらうわ。まさか、貴方と同じ職場になるとは思わなかったけれど。今度はこんな話じゃなく、昔の話を咲かせましょう?」



 かくて、新ギルドの中核をなす人材はそろった。彼らの助力を得るために、あるいは彼らの特技を盗むために。より多くの新人が集まるだろう。幹部級の引き抜きならばともかく、新人の見極めはアーマンドの役目だ。後はかの黒き短剣の共同体を出し抜き壊滅させるのみである。

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